



「三番瀬が好き」。愛着を持った人と一緒にいつまでも楽しみ続けられる海にするために
■更新情報
・2025年3月26日 かつての三番瀬の聞きとり調査レポートを発表! new!
※本ページの下をご覧ください
・2025年3月18日 イベント情報更新 3月29日 三番瀬干潟散策会 定員に達したため受付終了しました
・2025年2月28日 イベント情報更新 3月29日 三番瀬干潟散策会 参加受付を開始 new!
・2024年12月28日 三番瀬フォーラム的 2024年の三番瀬 10大ニュースを掲載
・2024年10月27日 三番瀬で「環境DNA調査」を東京海洋大学と共同で実施しました
※本ページの下をご覧ください
■『回想「豊穣の海」 三番瀬 聞きとり調査レポート』を発表!
2025年3月、NPO法人三番瀬フォーラムと東京海洋大学沿岸域管理研究室では、『回想「豊穣の海」 三番瀬 聞きとり調査レポート』を発表しました。
2025年度から、市川市が、三番瀬の塩浜地先の海域において覆砂による干潟再生に向けた事業を実施しようとしています。
三番瀬の自然環境が大きく変貌してしまった今、この事業を評価する際に重要なポイントの一つは、そもそもこの海域がどのような海だったのかを知ることです。
そこで、この度、私たちは、この海域の過去をよく知っている地元の漁師や元漁師から聞きとり調査を行い、記録にまとめました。
聞きとり調査の結果、ここが元々は沖まで砂の干潟が広がる海であることが明らかになりました。
実は、この海域が干潟であったという話は、これまでも漁師のようにこの海域を利用していた地元の人々の間では長く語られてきましたが、今回の聞きとり調査によって、このことが改めて裏付けられたことになります。
覆砂するエリアのうち、塩浜護岸近辺は特に深くなっています。しかも、沖に行くほど浅くなる構造になっています。
言うまでもなく、本来の干潟・浅瀬の形状は、沖に行くほど深くなりますが、ここでは逆転しているのです。
この結果、護岸直下の深い箇所では生物の数も種類も貧弱となり、沖に行くほど、浅い砂泥質の土砂を好む生物が増えているのです。
しかし、かつての三番瀬は、レポートで漁師や元漁師が語るように、沖まで干潟が広がり、アマモなどの藻場があり、豊かな生態系を持っていました。そして、豊穣の海として、人びとの生活を支えていたのです。
今回の調査によっても、三番瀬が自然再生を必要とする海であることは明らかです。
私たちは、過去の自然環境に思いを馳せながら、引き続き、三番瀬の自然再生と、それを基軸にした街づくりに向けて活動していく所存です。
(NPO法人 三番瀬フォーラム理事長 安達宏之)
●レポートは以下をクリックしてご覧ください
『回想「豊穣の海」 三番瀬 聞きとり調査レポート』[PDFファイル]
(特定非営利活動法人三番瀬フォーラム・東京海洋大学沿岸域管理研究室)
■三番瀬フォーラム的 2024年の三番瀬 10大ニュースを掲載
今年もお世話になりました。現場活動の中で起きた10の出来事を取り上げました。
三番瀬における真の保全再生の取組み状況が掴めるかと思います。
1位には12月定例千葉県議会 一般質問における千葉県の答弁を挙げました。県の担当者からは「市川市の干潟再生は県の三番瀬再生計画とも整合性がとれる」と、市川市の取り組む覆砂による干潟再生の方向性は県認識とも合致する旨の答弁がありました。県・市との間で共通認識が図られていることは重要な事であり、来年からの干潟造成に向けた歩みをしっかり進められると良いなと思いました。以下、関係機関との協働・連携のほか、本当に多くの皆さまと干潟散策会や朝市でご一緒出来た年でした。来年もどうぞよろしくお願いいたします!
<2024年、協働・連携にてお世話になった皆さま> 順不同
市川市漁業協同組合/船橋市漁業協同組合/富津漁業協同組合/東京海洋大学/千葉商科大学/重田辰雄梨園/市川市/市川市魚食文化フォーラム/市川青年会議所/市川青年会議所シニアクラブ/妙典小ハス田クラブ/幸小ハスっ子クラブ/妙典中学区コミュニティクラブ/環境再生保全機構 地球環境基金/海光物産(大傳丸・中仙丸)/おいしい未来研究所/おさかな小学校/篠田務さん・藤原孝夫さん(お二方とも海苔漉き指導・元漁師)/行徳地区自治会連合会/行徳郷土文化懇話会



■三番瀬で「環境DNA調査」を東京海洋大学と共同で実施しました
NPO法人 三番瀬フォーラムでは、東京海洋大学の丸山啓太博士研究員にご協力いただき、三番瀬の海域において本格的な環境DNA調査を初めて実施しました。
調査の目的、方法、結果の概要について、以下のPDFファイルにまとめているので、ぜひご覧ください。
●調査結果の報告「環境DNA調査を用いた東京湾奥部の三番瀬周辺における魚類相」 [PDFファイル]
(NPO法人 三番瀬フォーラム / 国立大学法人東京海洋大学)
三番瀬フォーラムでは、調査結果を受けた今後の三番瀬の自然のあり方等について次の通り考えています。
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東浜やふなばし三番瀬海浜公園は、よく誤解されるが、自然干潟ではなく、覆砂により造成された干潟である。その干潟には、自然干潟のように干潟・浅瀬に生息する魚類が豊富にいることが明らかとなった.。
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一方、塩浜護岸の海域は、護岸付近は岩場であり、海の底質は軟泥質である。また、水深が深く、沖に行くほど浅くなる地形である。本来であれば、陸から砂干潟、徐々に深くなる海へとゆるやかに傾斜しながら続く形で構成される三番瀬の自然環境とは異なる。
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今回の調査により確認された塩浜護岸の海域における魚類は、主に岩場に生息する魚類であり、本来の三番瀬の自然環境からは程遠いものであることが改めて裏付けられた。
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塩浜2丁目護岸(約1000m)の大半が同様の状況の中、覆砂予定地(約100m)において干潟を再生させ、東浜やふなばし三番瀬海浜公園の前のような干潟・浅瀬環境を取り戻す自然再生が求められる。
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今後も、魚類相以外の生物相などについても調査範囲を広げることを視野に入れ、継続的に環境DNA調査を実施し、三番瀬の自然再生事業に協力したい。
※本調査は、独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金からの助成を受けて実施されました。